エコファクトリ( 事業活動を通じての環境貢献)

考え方・取り組み

東京精密は、精密部品の加工から自社で行っている機械メーカーです。消費するエネルギーの99%以上が生産工場の電力ですが、切削および加工に使用する水の量も少なくありません。水を使って半導体を加工する製品の生産量が増え、完成品の検査や調整、テスト加工等に使用する水の量も増えているため、電力と水の使用量を削減する努力を続けています。また、装置の機械部品点数が多く、部品加工や組み立てに使われる紙の図面が多いため、資源消費削減の取り組みとして、電子データで加工・組み立てを行う等、紙使用量の削減に取り組んでいます。その他、金属加工くずや加工廃液等についても、可能な限りリサイクルするように努めています。

地球温暖化防止の推進(脱炭素社会に向けて)

電力・CO2

当社が排出する温室効果ガスは、八王子と土浦の工場運営に使用される購買電力換算分のCO2がほとんどを占めており、地球温暖化防止対策として省電力に重点を置いた取り組みを進めています。具体的には、照明のLED化、人感センサーの設置、太陽光パネルの設置、空調機器やコンプレッサー設備等の高効率省エネタイプへの更新等を計画的に実施しています。CO2削減を効果的に実現するため、2021年度は熱源設備の更新とCO2フリー電力*の導入を進め、CO2排出量削減の効果を確認しました。今後も脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進め、低炭素化を推進していきます。

* CO2フリー電力/ 発電する際にCO2を排出しない電力。CO2を排出しない再生可能エネルギーに由来する環境価値を活用した、実質的にCO2フリーとなる電力。

パネル
ダッシュボード

● 東京精密におけるScope1、2 CO2排出量と電力使用量

 
前5か年計画期間 新5か年計画期間*
2017年度
実績
2018年度
実績
2019年度
実績
2020年度
実績
2021年度
実績
2022年度
計画
Scope1、2 CO2排出量
     (t-CO2)
12,311 12,312 11,976 9,524 8,191 6,500
内訳 Scope1 排出量
    (t-CO2)
86  86  72  75  94 
Scope2 排出量
    (t-CO2)
12,225  12,226  11,904  9,449  8,097  6,500 
電力使用量
    (Mwh)
25,163 25,765 25,448 28,843 29,835 31,100
Scope1、2 CO2排出量
生産高原単位
           (t-CO2/百万円)
0.181 0.160 0.191 0.129 0.080 -
2023年2月20日 更新

*新5か年計画期間/2021年に削減目標値を見直し、期間を1年延長している。


●太陽光発電量とCO削減量
  2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
太陽光発電量(Mwh) 458.8 450.1 427.5 469.5 494.2
CO₂削減量(t-CO₂) 207 214 200 215 221

大気への環境負荷の管理

その他ガス

当社は、半導体製造装置で使用するHFC*ガスを使用した冷凍機も製作しています。冷媒ガスは適切に管理しており、外部に排出するガスはほとんどありません。また、地球温暖化係数が低いガス冷媒への切り替えも進めています。


●大気への排出量(単位:t-CO2
その他ガス 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
CH4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
N2O 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
HFC 0.0 9.4 2.0 11.0 0.0
PFC 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
SF6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

*HFC/ハイドロフルオロカーボン。オゾン層を破壊する塩素原子が含まれないため、フロン代替物質としてエアコンなどの冷却材などに用いられる。

水域への環境負荷の管理

半導体製造装置を製作する八王子工場エリアや精密測定機器を製作する土浦工場エリアにおいて、WRI (世界資源研究所)の評価ツールAqueductにおける水ストレスはLow-Mediumクラスとなっています。八王子工場では、水(純水)を大量に使用する半導体製造装置の生産量が拡大しており、排水量も増加しています。そのため、水使用量の削減策として、排水された一部の水を回収、ろ過し、純水の原水として再利用しています。

 
●純水製造設備の排水リサイクル率*
2019年 2020年 2021年
16.3 % 17.2 % 17.2 %

*排水リサイクル率/リサイクル量/使用量(=原水投入量+リサイクル量)

また、2021年度には以下の水使用量削減に関する取り組みを実施し、削減の効果を確認しています。

  • 低排水タイプのめっき前処理洗浄装置の導入(八王子工場)
  • 純水供給設備に減圧弁を設置(八王子工場)

●水使用量

 
前5か年計画期間 新5か年計画期間
2017年度
2018年度
2019年度
2020年度
2021年度
水使用量(m³) 149,544 157,375 171,706 169,873 163,662
水使用量
生産高原単位
(m³/百万円)
2.20 2.05 2.74 2.29 1.61

資源利用の削減

紙は木材・水など多くの資源を使うため、紙の使用量削減は地球環境保全に貢献すると考え、社内の各工程において電子データで作業できる環境整備を進めており、今後も紙使用量の削減に努めていきます。

 
●紙購入量

 
前5か年計画期間 新5か年計画期間
2017年度
2018年度
2019年度
2020年度
2021年度
紙購入量(kg) 31,159 30,800 27,766 28,622 34,234
紙購入量
生産高原単位
(kg/百万円)
0.458 0.401 0.444 0.386 0.337

廃棄物の排出抑制・再資源化

廃棄物とリサイクル

当社は、梱包用ダンボールを通い箱に置き換えるなど、廃棄物の減量に取り組んでいます。八王子工場からの廃棄物はサーマルリサイクル*も含め、全てリサイクル利用し、また、土浦工場では廃液の処理業者をリサイクル可能な処理業者に切り替えるなど、リサイクル率向上への取り組みを進めています。

*サーマルリサイクル/ 廃棄物を焼却した際に発生する熱エネルギーを回収、再利用するリサイクル手法。

  
●廃棄物の再資源化と最終処分量

 
前5か年計画期間 新5か年計画期間
2017年度
2018年度
2019年度
2020年度
2021年度
総排出量(t) 829 1,010 892 857 989
再資源化量(t) 816 998 879 844 975
最終処分量(t) 14 9 12 13 14
リサイクル率(%) 98.3 99.1 98.6 98.5 98.5