プロジェクトストーリー
SPECIAL CONTENTS
半導体製造装置事業編

ウェーハ表面にレーザを照射するダイシングマシンの中でも、
アブレーション加工方式のものはラインアップがありませんでした。
そのため、お客様からの要望に応えるべく、ゼロからの開発がスタート。
スペック、コスト、安全性……それらすべてを考慮しながら、
安定生産を実現することが本プロジェクトのゴール。
数々の困難をチームで乗り越え、独自のレーザエンジン機構によって
高品質加工と高スループットを両立する装置の量産化に成功しました。
そこには、各分野のプロフェッショナルによる試行錯誤の連続がありました。

ウェーハ表面にレーザを照射する
ダイシングマシンの中でも、
アブレーション加工方式のものは
ラインアップがありませんでした。
そのため、お客様からの要望に応えるべく、ゼロからの開発がスタート。
スペック、コスト、安全性……
それらすべてを考慮しながら、
安定生産を実現することが
本プロジェクトのゴール。
数々の困難をチームで乗り越え、
独自のレーザエンジン機構によって
高品質加工と高スループットを両立する
装置の量産化に成功しました。
そこには、各分野のプロフェッショナル
による試行錯誤の連続がありました。

技術職(機械設計)
松田
2007年入社
機械系専攻
技術職(ソフトウェア開発)
森本
2020年入社
情報系専攻
技術職(電気設計)
石島
2014年入社
電気系専攻

「精密さ」を追求しながら
競合を超える開発に挑む。

東京精密ではこれまでアブレーションダイシングマシンの取り扱いがなかったのですが、長くお付き合いのあるお客様からの要望に応えるべく、新たに開発することになりました。そのお客様からは、もともと競合他社の製品を使用していると伺っていたので、スペックとコストの両面でそれを上回るものをつくり出すというのが第一のハードル。私は機械設計の責任者という立場でプロジェクトに参画しました。

最初にこのプロジェクトにアサインされたときは、楽しみな気持ちと不安が半々でしたね。ラインアップにない装置だったので社内に先行事例もなく、うまくいくのかどうかやってみないと分からない。しかし設計者として、新しいモノづくりにゼロから携わり、世に出させることへの好奇心も強くありました。

私はもともと他業界でソフトウェア開発に携わっており、東京精密に中途入社しました。このプロジェクトに参加して最初に驚いたのは、東京精密の「精密さ」へのこだわりです。ミクロンレベルでの精度を追求する開発は私にとっては初めての経験で、それを実現するために試行錯誤する過程はとても楽しかったですね。

安定生産化に向け、
技術面も安全面も妥協しない。

要望をいただいたお客様のニーズを満たしながらも、東京精密として安定して量産できるレベルの製品まで到達すること。それがこのプロジェクトのゴールであり、最も高いハードルでした。特に苦労したのは、競合他社の製品を上回るために、複数のレーザ光源を搭載したことです。なかなか複数の光軸を安定させられませんでしたね。

アプリケーション担当が原因を究明しながら、ソフトウェア開発担当としてどう対処していくか。チーム全員で悩みながら解決策を模索していきました。具体的な修正内容は機密情報にあたるので残念ながらお話しできませんが、レーザエンジンの構成および制御を最適な形に修正することで、最終的にレーザエンジン内の光軸安定化を実現できました。

個人的には、安全性を担保するための設計にとても苦労しました。これまで携わってきた案件と比較しても考慮すべき点が多く、一から勉強し直すくらいの気持ちで臨みましたね。操作性と安全性、どちらも高次元でクリアする必要があり、難易度が高い分、学びも多くて取り組みがいがありました。

技術的な挑戦を積み重ねる中で、安全面でも確認すべきことが非常に多かったと思います。プレッシャーも大きかったと思いますが、自分自身で解決策を考えながら前向きに取り組んでくれた石島さんにはとても感謝しています。

技術的な議論の場に、
上下関係はない。

松田さんが言うように、個人の裁量権が高く、若手のうちから自分の考えを発信できる風通しの良さは東京精密の魅力だと思います。自分なりの意見をしっかり表明して、それがチームで認められれば、設計を任せてもらえる。責任も大きいですが、ただ指示に従うだけではなく、自分で試行錯誤しながら手を動かせる環境は、技術者としての成長を実感できます。

技術的な議論をする場に、上下関係はありません。全員が平等です。だからこそ、全員が共通の課題意識を持った上で、それぞれ何ができるかを考え、実行できる環境が大切だと思っています。東京精密にはその風土が根づいているのではないでしょうか。

前職では「ソフトウェアの課題はソフトウェアのチームで議論して解決する」というような文化があったのですが、東京精密は違います。各分野で専門性を持つメンバーが集まって、それぞれの視点から解決策を持ち寄って議論する。私としても、議論のたびに自分にはない発想や新しい視点が身につくことがとても刺激的でした。

モノづくりが好き。
その思いさえあれば、
チャンスは無限にある。

モノづくりが好きで、自分で考えながら手を動かすことに楽しさを見出せるような人にとって、東京精密は非常に魅力的な環境だと思います。私自身も配属1年目から設計に携わらせていただき、やりがいを感じながら仕事に向き合うことができています。

東京精密は、技術者として「こういうものをつくりたい」と思わせてくれる環境だと感じています。正直、私は入社するまで受け身の姿勢があったと思います。しかしここでは、全員が自分の技術をとことん追求し、モノづくりに打ち込んでいる。それに刺激されて、私も能動的に開発に取り組む姿勢が自然と身につきました。ですので、成長意欲さえあれば充実した毎日を過ごせると思いますね。

新しいものを目にしたときに、まずワクワクできるかどうか。どうやって動かしているんだろうとか、どうやって制御しているんだろうと好奇心を持てる人、そしてそれを超えるものを生み出したいと思える人と一緒に働きたいですね。また、学生の皆さんに伝えたいのは、東京精密は失敗しても根気よくチャンスを与えてくれる環境だということ。私自身、入社してからたくさんの失敗を経験しましたが、それでも本プロジェクトのような挑戦の機会を与え続けてくれたことに非常に感謝しています。モノづくりが好きで、技術によって難しい課題を解決することにやりがいを感じる方は、ぜひ恐れず飛び込んできてほしいと思います。