安全な職場環境への取り組み

東京精密は機械を製造するメーカーであり、製造や物流の現場には装置や部品、工具や加工機械等が多く配置されています。製品が生産用設備であることから、納入・設置、保守点検等、お客様の生産現場という慣れない環境での作業も少なくありません。

これらのリスクを細心の注意力を持って探り出し、作業者の動作・動線を観察・予測して安全リスクを最少化する措置を実施することで、日々の職務行動を安全で合理的に進められるよう、安全衛生の取り組みを進めています。この考えに基づき、以下の4つの局面について活動を報告します。

  • 事業場内の安全管理
  • 事業場外での安全確保
  • 防災・減災・救急救命
  • 通勤や出張時の交通安全

事業場内の安全管理

事業場は従業員が毎日事業活動を行うスペースであり基本的な構造は工場の増設や改変以外に大きく変化はしませんが、生産活動の増減や製品構成の変化および改善活動等により絶えず変化しています。

したがって、常に安全リスクを探ってそれを軽減していく継続的な活動が重要です。八王子と土浦の各工場では、労働災害や社有車の事故に関して削減目標を立てて、継続的に削減活動を行っています。各工場の安全衛生委員会下に安全部会,衛生部会,防災部会等、専任の担当部会を設置して多面的に推進しています。

安全衛生委員会活動

各工場長を安全衛生統括責任者とする安全衛生委員会を組織し、環境・機械・作業等に関わる労働安全や、感染・食中毒・メンタルヘルス・化学薬品等に関わる労働衛生、自衛消防や防災・減災行動、交通安全や救急救命等に対して取締役会で承認を受けた年間計画に基づいて活動を行っています。また、年2回の内部監査を行い、その結果を監査室に提出して取締役会に報告するとともに、同委員会を監査室の監査対象としています。

労働災害の削減

八王子,土浦の各工場は「休業災害ゼロ」を目標にしています。両工場ともに2020年度は「休業災害ゼロ」を達成しましたが、休業を伴わない軽微な事故は両工場ともに3件(計6件)発生しました。

 これらが重大な事故に至らないよう、軽微な事故に対しても再発防止に努めるとともに巡視やリスクアセスメントの強化を進めています。なお、計測社・土浦工場は現在、休業災害の無災害連続31年の記録を更新中です。以下に半導体社と計測社、東京精密(単体)の度数率*1と強度率*2を示します。
 

休業災害度数率 *1

  2016年 2017年 2018年 2019年 2021年
半導体社 0.71 0.00 0.00 0.97 0.00
計測社 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
東京精密(単体) 0.51 0.00 0.00 0.71 0.00

休業災害強度率 *2

  2016年 2017年 2018年 2019年 2021年
半導体社 0.043 0.000 0.000 0.004 0.000
計測社 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
東京精密(単体) 0.031 0.000 0.000 0.003 0.000
 

*1度数率:100万延べ実労働時間あたりの労働災害による死傷者数で災害発生の頻度を表したもの。

*2強度率:1,000延べ労働時間あたりの延べ労働損失日数で、災害の重さの程度を表したもの。

労働安全の取り組み

職場巡視による作業環境リスクへのアセスメントと対策、新規機械導入時や作業手順の変更時におけるリスクアセスメント等に加え、機械運転、重機作業、電気配線作業等の教育、訓練を随時実施して危険回避に努めています。

また、社内教育に加え、社外の教育機関の労働安全講習にも積極的に参加しています。社外機関での講習の多くは当社も会員企業として運営に参画している公益社団法人 東京労働基準協会連合 八王子労働基準協会支部 (東基連 八王子支部)が主催しており、当社の従業員教育に加えて地域労働者の労働災害防止活動の振興にも役立っています。

●2020年度実施事項

社内教育
八王子工場(東基連 八王子支部主催:*) 人数
新人社員(雇い入れ時) 安全衛生教育講習* 43 名
玉掛け技能講習・クレーン運転特別講習* 23 名
職長・安全衛生責任者講習* 10 名
有機溶剤作業主任者技能講習* 12 名
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者講習* 2 名
粉じん作業者(作業従事者)特別教育* 10 名
 
土浦工場 人数
フォークリフト・玉掛け・クレーンの安全講習 48 名

 

安全巡視・5S *3 パトロール

八王子工場では、工場長を含む数名ずつのチームを組んで、全ての職場の安全巡視を年1回行っています。安全巡視は、チェックシートを用いて安全リスクの抽出を行い、リスクを発見した職場については改善指示から一定期間後にフォロー巡視を行って改善の有効性を確認しています。また、定期的に5Sパトロールを行って職場の整理整頓を推進しており、2017年度からは採点制を取り入れ、高得点職場の表彰を年2回行うことで、各職場の5Sに対する意識が高まっています。

*35S:職場環境の維持・改善のためのスローガン。整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketsu)・しつけ(Shitsuke)の5つの言葉の頭文字Sをとって5Sと呼ぶ。

薬品・化学物質の取り扱い

新規の薬品・化学物質の購入に当たっては、両工場の購入許可を八王子工場の担当部署が一括で行うことによって、両工場で使用・保管されている全ての薬品・化学物質を同部署で把握しています。これにより、化学物質のリスクや使用・保管の方法及び従うべき法令とその要求を一元管理し、法改正への準備や対応を全ての適用部署に対して迅速に行えるようになりました。

この基準に従い、管理・使用部署に定期点検および定期数量確認を義務付けるとともに、ISO14001の内部監査員資格者による定期内部監査に加え、安全衛生委員会組織下の規制物質管理部会が薬品の管理保管状況のパトロールを行っています。2020年度は同パトロールをフォロー巡視含めて7回行いました。2020年度は、両工場合わせて76件の新規採用及び既存使用の見直しによる化学物質リスクアセスメントを行いました。

事業場外での安全確保

クリーンウェア着用姿
クリーンウェア着用姿

東京精密が提供する製品は生産設備であることから、装置の据え付けや保守・改造等、お客様の生産現場での作業が多くなります。自社の事業場では、自社の基準と方法によりリスク管理しており、環境や設備に関する安全基準も掌握できますが、お客様の工場内のリスクは予め把握することができません。

特に半導体製造装置が稼働する現場はスーパークリーンルームと言われる空間で、特殊なクリーンウェアを着用して作業するため、視野も狭まり動作も制限されます。

このような状況下で作業員に必要とされるのは、少し先に起こり得る危険を初期段階で予測して回避する能力です。

お客様のサポート及びサポートエンジニアの教育を担当する半導体社のCE(Customer Engineering)部は、この能力の教育・訓練としてSEAJ(半導体製造装置協会)の『作業リーダー教育』を2年毎に実施しています。受講者は定期更新教育を繰り返すことでこのスキルに磨きをかけ、作業をより安全に完遂できる能力を高めています。

防災・減災・救命救急

全部署避難訓練

例年実施している全部署による避難訓練を計画していましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から八王子消防署の指導のもと、3密回避できる訓練へ計画を変更しました。

個人単位

  • 避難経路図によるフロア避難経路の確認
  • チェックリストによるフロア内消火器・消火栓設置場所の確認

部署・分隊単位

  • 発報(または災害発生)~避難完了までの各係への説明
  • 消火栓と消火器の取り扱い説明及び指導

八王子工場では、全部署・分隊での訓練を実施し、八王子消防署へ実施結果を報告しています。土浦工場でも同様に、全部署・分隊での避難経路の確認と消火器の設置場所の確認を実施しました。

分隊単位避難訓練01
分隊単位避難訓練
分隊単位避難訓練02

自衛消防隊

八王子・土浦の両工場では自衛消防隊を組織し、年間計画に沿って毎月1 ~ 2回の定期訓練を行っています。有事の際でも適切なコミュニケーションを取りながら合理的な消火活動を行えるようにデジタル簡易無線機を配備、2020年度は計5台に増設しました。製造現場の拡充を考慮し、今後も増設することを計画しています。

緊急事態想定訓練

各部署で危険物質の漏洩等の緊急事態を想定した飛散防止や回収・洗浄等の緊急事態想定訓練を行っています。毎年期初に訓練計画書を環境管理責任者に提出し、訓練実施後に報告書を提出します。2020年度は、八王子工場は11部署の単独訓練を行い、土浦工場では工場部門から105人が参加して「ケミカル洗浄剤飛散防止訓練」を行いました。

緊急事態想定訓練01
緊急事態想定訓練
緊急事態想定訓練02

救命救急

 各工場では各職場に複数人の救急救命講習受講者を配置すべく、毎年若干名の従業員に講習を受講させています。2020年度、八王子工場は上級救命講習を4名が受講しました。土浦工場では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため講習を中止としました。
 
八王子工場と土浦工場、及び規模の大きい名古屋と大阪の営業所にはAEDを設置しています。大型の八王子工場については、8つの建屋にAED*4と担架を各1台ずつ設置しているほか、災害対応の飲料水自動販売や発電機と簡易トイレを収納しているゴミ箱等、災害対応と救急救命の対策を進めています。

*4AED:Automated External Defibrillator。自動体外式除細動器。

通勤や出張時の交通安全

八王子・土浦の各工場では毎年、所轄警察署の交通課から講師を招いて交通法規・交通安全講習会を実施しています。また社有車の運転許可を持つ従業員と通勤で車・バイクに加え新たに自転車の駐車・駐輪許可を持っている全ての従業員の受講を義務付けました。2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から所轄警察署の指導のもと、3密回避する取り組みを行い、八王子工場では、2回に分けて実施し、計205名が受講しました。土浦工場では、各部署にて安全運転の啓蒙を実施、対象者全員の実施記録を確認しました。