コミュニケーションが、品質を高める

谷口 菜摘

計測社 技術部門
Coordinate Measuring グループ
理工学研究科 基礎理工学専攻 修了
2016年入社

好奇心と積み重ねが土台となって。

「いつも物事の根本のところに興味がありました」
理科が大好きで、様々な現象がなぜそうなるのか好奇心が尽きなかった少女時代。
大学では高分子のガラス転移について研究。この研究テーマを選んだのは、その現象がどうやって成り立っているのか、純粋に興味があったからだ。
専攻テーマは基礎研究に近いため、なかなか結果に結びつかないが、コツコツと続ける性格があったから大学院まで研究を続けた。その探究心と、地道な努力を積み重ねる性格が、東京精密での仕事にも活かされている。
谷口の仕事は、光学測定機器の主力製品『Opt-scope』のアプリケーションエンジニア。この製品は、イメージセンサと信号処理技術を組み合わせた機器で、測定対象物に触れずに、三次元の表面形状を短時間のうちにナノレベル(0.000001mm)で測定できる。
アプリケーションエンジニアの役割は、「お客様の求める最適な測定方法を見つけること」だ。依頼された測定対象物の測定デモンストレーションや、どのパラメータを採用すればお客様のリクエストを満たせるかを検討し提案する。その作業は地道な検証の繰り返しとなる。
また、そのためには、お客様がどのような結果を求めているか、お客様と綿密なコミュニケーションを重ねていくことも重要だ。
「幸い学生の頃から人と話すのが大好きで、お客様とのやり取りも苦ではありません。むしろ直接話すことで、お客様の隠れたニーズを発見することもあります」
人とのコミュニケーション力が問われる技術職。それがアプリケーションエンジニアの仕事である。

提供するのは「装置」ではなくソリューション、そして東京精密の「ひと」

展示会などでブースに立ち、製品のデモンストレーションをしながら、直接お客様と話す機会が多い谷口。そこには、様々な課題を抱えたお客様がやってくる。お客様の課題を解決するために、何がベストなのか考える日々。それが本当に自社製品で可能なのか、どのようなアプローチで解決すべきなのか。試行錯誤はお客様ごとに続く。
「あるお客様は、他社の装置で計測されていましたが、なかなか思うような結果が出ないと悩まれていました。そこで、弊社の『Opt-scope』を提案したのですが、お客様が納得される計測結果が出るまで一年かかりました」
時には、測定が難航し、進展のない期間もあり、もうダメだと思うこともあった。しかし、お客様との共同作業と、持ち前の地道な努力で、試行錯誤の末に期待した結果を出すことが出来た。
「一年がかりで、お客様に装置を購入いただけたことは、とても感慨深かったです。でも一番うれしかったのは、装置の納入の際に私に取扱説明に来て欲しいと指名があったことです」
それは、谷口が一年間苦労してやってきたことを、お客様がしっかり評価してくださったことに他ならない。
「お客様のところで、実際に自社の製品が使われている現場を見ることができましたし、眼の前でお客様に喜んでもらえると、こんなにもお役に立てた実感が湧くんだなと思いました」
そこで谷口が学んだのは、粘り強くお客様と向かい合ってコミュニケーションをとることの大切さだ。装置を選んでもらう前に東京精密の「ひと」を認めてもらう。
「仕事というのは人と人との繋がりなんだということを、本当に改めて教えていただいたと思っています」

お客様と技術者の橋渡し そして女性であること。

お客様の要望を、社内のメカ、エレキ、ソフトの各担当に伝えるのも、谷口の重要な仕事だ。
「チームは、風通しが良くて、お互い話せばすぐにわかる関係です。こんなのどう?と提案した時に、それはいいね、とすぐに返ってくる。フィードバックが早ければ、お客様にも早く喜んでもらえます」
やはりここでも、人と人とのコミュニケーションが重要な要素であることは間違いない。アプリケーションエンジニアは技術職でありながら、お客様と社内の技術者を橋渡しする、コンサルタントのような立ち位置でもあるといえる。
「だからこそ、学びが多く、やりがいのある仕事が出来ていると思います」
谷口の担当する展示会は、国内だけに留まらない。中国、韓国、マレーシア、ドイツなど、海外出張も多い。
「年に3~4回は、海外の展示会に行っています。それぞれの国によって、求められることも違います。でも、お客様の課題を解決するという点は変わりません」
さぞかし英語が堪能なのかと問うと、「ぜんぜん」と谷口は笑って謙遜する。
「社内には、ネイティブの先生による英語教室があります。週一回、誰でも参加することができ、すごく役に立っていますね。女性の先生なので、マンツーマンの時は英語で女子トークしています(笑)」
技術系の会社なので、女性社員はまだまだ少ない。谷口は、これから自分のような女性社員が増えていって欲しいと語る。
「結婚してお子さんがいながらも働き続けている女性の先輩がいて、私もそういうふうに働いていけたらいいなと思っています。育児による休業や短時間勤務の制度は法律以上の手厚い制度になっていますし、有休の取りやすい環境も整っています。これから女性もどんどん活躍できる会社だと思います」

休日の過ごし方

土日はゆっくり休息しつつ、大型ショッピングセンターで買い物をしたりしています。小さい頃から科学館が好きで、茨城県内はもちろん、お台場まで行くこともあります。茨城県はお魚が美味しいので、那珂湊の漁港はおすすめです。たまに千葉県の銚子の方まで行くこともあります