地球環境とのかかわり

提供する製品のライフサイクルを含む全てのバリューチェーンについて環境への負荷を低減し、持続可能な社会と地球環境に向け、全員力で取り組みます。

環境における基本的な考え方と管理体制

環境の基本理念

東京精密は「地球環境が保全されてこそのものづくり」という考えのもと、「環境基本理念」を1997年に制定しました。この基本理念を表現したのが「環境基本方針」であり、全ての従業員が事業活動において実践するために具体化したのが「環境行動方針」です。東京精密はこれらの理念・方針に基づき全ての事業活動を行っています。

環境基本理念

東京精密は、地球環境保全が人類共通の重要課題であることを認識し、開発・設計・生産・サービスの全域において積極的に環境保全に配慮した行動をとる。

環境基本方針

東京精密は、半導体製造装置及び精密測定機器をはじめとする製品の生産、サービスを主とした事業活動において、全従業員が「この行動は地球にやさしいか」を常に配慮し、環境負荷を可能な限り少なくする。

環境行動方針

  1. 「環境管理委員会」を頂点とする、全職制を軸にした環境管理体制を組織し、揺るぎない環境保全活動を推進する。
  2. 環境関連の法律、条例、協定及び本「環境方針」を遵守し、自主目標を設定して、汚染防止、環境保全に取り組む。
  3. 環境配慮した製品(省エネルギー、省資源、有害物質の不使用)の開発・改善に努める。
  4. 事業活動に伴う環境影響に関する以下の項目等について環境目標に定め、環境パフォーマンスを向上させるために継続的改善を行うと共に内部監査等で見直しを行う。
    1)省エネルギー、省資源、廃棄物の削減・リサイクル等による天然資源の有効利用
    2)有害物質の適正管理と使用量の削減及び代替物質への転換
    3)温室効果ガスの排出抑制による地球温暖化防止
  5. 全従業員に対し、環境保全に関する教育訓練を行い意識の向上を図る。また、協力工場に対しても環境保全活動についての理解と協力を求める。
  6. 事業活動のそれぞれの業務を通じて持続可能な資源の利用、気候変動の緩和や生物多様性保全を始めとした環境保全活動に取り組み、より良い地球環境の実現につとめ、社会の発展に貢献する。
  7. 環境マネジメントシステムの適用範囲は半導体社、計測社の活動、製品、サービス及び事業活動に関係する工場の環境保全活動を対象とする。
  8. この「環境方針」は社内外に開示する。

環境管理体制

「東京精密環境理念」に基づく環境保全活動を継続的に推進していくために、社内に「環境管理委員会」を設置し、ISO14001のマネジメントシステムに則り活動を行っています。
2009年4月より施行された「エネルギー使用の合理化に関する法律」への対応のため、エネルギー管理統括者を選任しました。

環境管理体制組織図

※1【環境管理委員会】
環境管理活動を審議、推進する組織。環境管理委員長・副委員長、環境管理責任者(各サイト1名)、実行組織の代表(数名)で構成される。

※2【標準化委員会】
環境及び品質マネジメントに必要な規格、基準の作成、運用の推進を行う。

※3【品質システムチーム】
1.環境管理システムの運営
2.「環境方針」、「環境管理マニュアル」の原案作成
3.環境管理委員会資料の作成
4.その他両サイトに関係する事項の対策案作成または処理

※4【環境部会】
各サイトに設置し、サイトの環境目的達成のための具体的推進を行う。

内部環境監査

環境管理マニュアルに規定された社内の励行状況を確認するため、年2回の定期内部環境監査を実施しています。事務局が作成したチェックリストに基づき、主任監査員をチームリーダーとした2~3名が監査チームを編成し、監査を行っています。

事業所における内部環境調査

環境目標と環境負荷の全体像

環境目標と取り組み実績

東京精密では、2010年度より5カ年計画で環境目標を設定して取り組みを行っています。2015年度からは第1次計画の最終年度を基準として、電力、紙、水、CO2排出量を生産高原単位で年率1%の削減とリサイクル率95%以上を目標とする第2次5カ年計画を策定して環境活動を行っています。なお、2016年4月に八王子工場に大型の新工場が竣工して順次稼動を開始するため、2016年度は同工場を個別管理とし、2017年度より5カ年計画の目標値を再設定する予定です。2015年度実績は電力、紙、リサイクル率で目標を達成しましたが、水使用量と土浦工場のCO2削減では未達成となりました。
水使用量については、生産・稼動に純水を使用する製品の生産高割合が2014年度比で40%増加したため、各種削減対策を実施したもののほぼ横ばいとなりました。2016年度は原単位基準の見直しを行い2017年度より第2次5カ年計画の最終年度である2019年度までの目標を再設定します。
土浦工場のCO2排出量については、省電力空調設備への交換工事遅延のため、年度内で計画された削減を達成することができませんでしたが、2016年度の早期に工事計画の遅れを取り戻すため、5カ年計画への影響はありません。

環境目標と取り組み実績

環境負荷の全体像

東京精密では、工場等の事業活動に伴う環境負荷だけでなく、お客様の製品使用に伴う環境負荷まで含めた低減を実現するため、ライフサイクルアセスメント(LCA)を実施しています。
製品の原材料調達から製造、使用、廃棄まで含めたライフサイクル思考で見ると、お客様が製品を使用する際の環境負荷が、ライフサイクル全体の大きな割合を占めることが分かりました。このため、事業活動における環境負荷低減を目指し、工場における取り組み(エコファクトリー)を行うだけでなく、お客様先での環境負荷低減を目指し、省エネや省資源といった環境配慮型製品の開発(エコプロダクツ)も進めています。

環境負荷の全体像

エコファクトリー

地球温暖化防止の推進

東京精密は、国内に生産拠点として八王子と土浦に工場を有しており、省エネ法において一定規模以上のエネルギーを使用する特定事業者に該当するとともに、八王子工場単体でも東京都の環境確保条例の対象事業所として指定されています。
事業活動において一定程度エネルギーを使用する企業として、東京精密は、地球温暖化防止を企業が取り組むべき重要課題として認識し、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの導入に取り組んでいます。

省エネルギーの推進

東京精密は、消費エネルギーの中でも大きな割合を占める電力使用量について、2014年度を基準として生産高原単位で1%削減を掲げ取り組みました。2015年度は、2014年度に比べ電力使用量が約29万kWh増加しましたが、太陽光発電設備設置、照明LED化、空調機器・コンプレッサ等の施設・設備を省エネタイプに交換した結果、生産高原単位では、1%以上削減することができました。次年度以降も電力削減のための省エネ活動を推進していきます。

主な電力使用量削減対策
八王子工場 ・太陽光発電設備の設置
・照明LED化
・空調機器・コンプレッサー等の施設・設備を省エネタイプへ交換
土浦工場 ・純水設備の間欠運転
・照明LED化
・空調機器の施設・設備を省エネタイプへ交換

電力使用量実績

再生可能エネルギー導入の推進

東京精密では、電力使用に伴うCO2排出量を減らすために、再生可能エネルギーの導入を推進しています。2015年6月、八王子の第5工場に太陽光発電設備を設置しました。この設備は、年間で21万kWh以上の発電が可能です。設置後1年間の実績は電気事業者から電力購入した場合に比べ、122t-CO2削減となりました。発電した電力を八王子サイトの事業活動で使用することで、サイト全体の電力使用量の1.5%を太陽光発電設備で賄い、
一般的に電力需要の多い昼間時間帯の電力使用量削減にも貢献します。
太陽光発電設備の設置に加え、各種省エネ対策を実施した結果、2015年度の八王子工場のCO2排出量は、7,861t-CO2で、基準排出量9,383 t-CO2に対して16.2%の削減となり、削減義務率15%を達成しました。
また、2016年5月に竣工した第6工場にも太陽光発電設備の設置を予定しており、八王子サイトの更なる電力使用量抑制を進めていきます。

水使用量の削減

2015年度の水使用量は、117,100m3となり、2014年度に比べ、7,440m3使用量が増加しました。水を使用している製品の割合が2014年度比40%増加したため、目標に掲げた生産高原単位で比較しても横ばいとなり、使用量削減対策の効果と相殺した結果となりました。
2016年度は、水の使用量について現状を再認識し、妥当性のある原単位基準を設ける等、削減対策を進めるとともに評価基準の適正化を図り、2019年度目標である2014年度比5%削減を達成するよう努めています。

水使用量実績値

廃棄物対策 リサイクル率向上

徹底した社内の廃棄物削減対策はもとより、社外に対しても協力を要請するなどして、廃棄物の削減とリサイクル率の向上に努めています。
2015年度は汚泥の再利用を中心に実施し、リサイクル率98.1%を達成しました。

1.金属屑

  • 鉄・アルミ・ステンレスは有価物として売却
  • 削りしろを最小化する図面の見直し
  • 鋳物、ロストワックスへの移行

2.廃プラスチック

  • 簡易包装・通い箱の実施など、サプライヤーへの協力要請
  • 減溶化してマテリアルリサイクル※1(半導体社)
  • サーマルリサイクル※2 化→化石燃料の代替燃料(計測社)

3.汚泥

  • 排水処理装置、系統の見直し
  • 埋め立て処分→埋め戻し材への再利用

4.紙・木材

  • 社内文書の裏紙使用
  • 簡易包装・通い箱の実施など、取引先への協力要請
  • 古紙・ダンボール材は有価物として売却
  • 木材(合板を除く)はチップ用として再利用処分
  • マニュアルのCD-ROM化で紙使用を削減

5.廃電気材

  • 電線屑・基盤屑・廃OA機器は有価物として売却

6.非分別不燃廃棄物

  • 分別収集の徹底によるリサイクル品の回収
  • 廃棄物収集箱、収集方法の改良

7.廃油・廃液

  • 油水分離により再生重油/助燃油としてリサイクル
  • 有価物回収及び再資源化

※1マテリアルリサイクル:
廃プラスチックなどの廃棄物を製品の原材料として再利用

※2サーマルリサイクル:
廃棄物を燃やした際に発生する熱をエネルギーとして再利用

化学物質管理

東京精密は、使用する化学物質について、法令遵守とともに自主基準に基づく管理を行うことで、環境及び人への悪影響を最小限に留めるよう取り組んでいます。

自主基準に基づく化学物質管理

東京精密は社内規定で環境を汚染する可能性のある物質を定めており、これを取り扱う場合は環境管理責任者に全て届け出ることとしています。物質ごとの取り扱い量、保管場所、最大保管量等を把握するとともに、SDS※及び緊急対策用具を備え、不測事態対応のための定期的訓練を実施しています。

SDS:Safety Data Sheetの略で「安全データシート」と呼ばれる。化学物質の名称や製造企業名、取り扱い法、危険性や有害性の種類、物性、環境への影響、安全対策、応急対応、緊急時の対策などに関する情報が、化学物質ごとにまとめて記載されている。PRTR法ではメーカー等の企業が化学物質の排出量や廃棄物の異動量を集計し、自治体を経て国に報告することになっていて、SDSの添付が義務付けられている

特定化学物質管理

東京精密が扱う化学物質のうちPRTR法特定物質の基準量を超えている2物質について届出を提出しています。また、東京都の環境確保条例で定められた適正管理化学物質については、八王子工場において5物質を使用しており届出を提出しています。

エコプロダクツ

環境配慮型製品への取り組み

東京精密グループは、東京精密技術標準※1(TES※2)に則り環境配慮型製品の開発を行うことで、製品における環境負荷の低減及び社会の持続可能な発展への貢献に取り組んでいます。製品開発にあたっては、高精度・高品質を第一に、環境負荷低減の基準として製品使用時の負荷低減(省エネ、水使用量削減)、製品含有化学物質対策、原材料投入量削減を掲げ取り組んでいます。環境配慮型製品の実現に向けては、開発設計部門、購買部門、生産・製造部門、出荷部門といった直接部門だけでなく、企画・営業部門、管理部門、サービス部門など間接部門も一体となったものづくりを推進するとともに、サプライヤ様をはじめとする社外パートナーとの協力体制も重要です。
今後も社内環境研修等による環境配慮意識の浸透を図るとともに社外パートナーとの協力体制強化に努めていきます。

※1東京精密技術標準:Tokyo seimitsu Engineering Standard(TES):生産活動に関わる開発、設計、製造、生産管理、品質管理、サービス及び環境管理に適用する原則で、拘束力、強制力を持つ規定、規格、標準、基準、要領をいう。

※2TESの構成:1.一般標準、2.製品標準、3.管理標準、4.設計標準、5.設備標準、6.作業標準

様々な環境配慮型製品

製品含有化学物質の管理

近年、欧州を中心にRoHS指令やREACH規則への対応が求められるなど、化学物質管理に関わる要求は年々大きくなっています。当社製品でLSSIT(大型産業据付工具)に属する半導体製造装置は、現在はRoHS指令の適用除外製品に該当しますが、全製品に対して対応を進めることとし、2013年度初めに社長直轄の環境製品推進室を設立し、製品含有化学物質を把握する全社的な活動を開始しました。
これらの管理を確実に実施するためにはサプライヤ様のご協力も不可欠です。製品含有化学物質管理システムの構築を進め、既存の設計・開発システムと発注システムの連携をとり、新たな化学物質管理システムによる総合的な管理システムを実現しました。
2017年の規制開始時に十分な対応を実現するため、2016年度からシステムの稼動を予定しています。環境に優しい製品づくりと合わせ、製品の信頼性・安全性を益々高めていきます。

管理データベースのシステム構成

環境保全活動の歩み