お客様とのかかわり

お客様の声に真摯に耳を傾け、日々弛まぬ改善を続けながら、最先端技術を駆使した半導体製造装置・精密測定機器の供給と充実したサポートでお客様のものづくりを支え、持続可能な社会の実現に貢献します。

品質管理の取り組み

品質に関する基本的な考え方

東京精密のお客様はものづくり企業であり、東京精密の提供する価値は“お客様の生産性”と“お客様の生産する製品の正確さと信頼性”です。即ち、「東京精密はお客様の価値創造の手段を提供している」ということを大変重く考えています。
安定した高い品質やサービスの提供こそが、お客様の社会的地位や利益を守り向上させていく当社の責任であることを常に念頭において、「製品品質の維持・向上」「グローバルで高機能なサポート体制」「製品やサービスに対するお客様の満足と信頼」を心がけています。

常に改善・強化し続ける品質管理システム

1994年に八王子・土浦工場一括でISO9001を取得するため、それまでに行われてきた膨大な品質保証の取り組みを体系化しました。以降21年間、厳格な品質管理システムのもと、品質リスクの撲滅に挑戦し、改善活動をシステム化しています。
また、当社の精密測定機器は、自動車・工作機械・電機等幅広い分野で利用されており、更にこのたび 2016年8月に 航空・宇宙及び防衛分野のマネジメントシステムJIS Q 9100 の認証(認証範囲:受託部品の形状測定)を取得しました。これにより、航空・宇宙・防衛分野に於けるワーク測定、お客様からの受託(委託)測定にお応えできることになり、より広い範囲の精密測定ニーズに貢献していきます。

品質状況報告会議

新製品は設計段階からデザインレビューを行って品質を作り込んでいきますが、完成後のリスクアセスメントにより、新たなリスクの想定等を盛り込んで随時対策しています。それでも発生してしまった不具合については、原因の究明・対策・再発防止措置及びこれらの対策と措置の妥当性評価を行うとともに、同種のリスクが他の製品に潜在する可能性を考慮して、他製品のリスクアセスメントを再実施しています。また、これらの対策が適切に実施され続けることを確認するために、定期的に全プロセスのQAパトロールを行っています。
これらの活動は品質担当役員が参加するQC会議に毎月報告し、処理の妥当性の評価を受けており、他の装置への展開の強化やリソースの移動等、横断的な対策を組織的に実施する決定を迅速に進められる体制としています。

トラブルの未然防止と原因追及のアプローチ

東京精密では4点法・設計FMEA※1を推奨し、技術ガイドを制定して活用を促したり、開発・設計、品質保証部門で社内セミナーや勉強会等を実施して品質管理に役立てています。また、発生した問題の真の原因を追及するためのアプローチ方法として“なぜなぜ分析”※2を採用し、共通の思考ツールとして理解を深めて活用しています。

※1設計FMEA (Failure Mode and Effects Analysis):設計上での故障モードと影響解析。システムの構成要素に起こりうる故障モードを予測し、考えられる原因や影響を事前に解析・評価することで設計上の問題点を摘出し、事前対策の実施を通じてトラブル未然防止を図る手法。

※2なぜなぜ分析:ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因「なぜ」を提示し、さらにその要因を引き起こした要因「なぜ」を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段。

小集団活動

高品質で合理的な生産手段を求めて、常に小集団による改善活動を行っています。多能工化を進めると、一人で完結するプロセスが長くなるため、職場内でのコミュニケーションが減り、同じ作業を行う従業員同士の情報共有が希薄になるデメリットが生じますが、これらの従業員が継続的に直接コミュニケーションを行う小集団による活動によって、個人の気付きや能力が職場単位で共有されるメリットが生まれます。また、八王子と土浦の両工場で従業員が相互に工場を見学し、これらの改善の創出プロセスやその成果を共有して、視点や切り口、手法などをシェアすることで、両工場間の協力体制を密にして改善を進めています。

変更管理の強化

当社では、工程内での不具合は人、加工機械、材料・部品、方法を変更した際に最も起こりやすいとの認識のもと、これらの変更を注意深く管理し、リスク評価を行って未然対応することで、不具合の発生を避けることに努めてきました。従来より、これらの変更管理は行ってきましたが、ISO9001-2015年版への改訂にあたって変更管理の要求が明文化されたことを受けて、4M変更管理※への管理基準を強化する規定整備と適応作業を進めています。変更管理の強化により、発生時の原因追及や是正処置も迅速に行える等の効果が期待できます。この機会に改めて均質なマテリアルの変更管理など、サプライヤ様へも協力を依頼し、バリューチェーン全体の協働による変更管理を進めて、2017年度にはISO9001-2015年版の運用を開始する予定です。

4M変更管理:人(Man)・加工機械(Machine)・材料や部品(Material)・方法(Method)の頭文字をとって、これらの変更管理を4M変更管理と呼ぶ。

顧客満足追求の取り組み

アンケート調査に基づく改善活動

製品をお使いいただいているお客様に対し、定期的に顧客満足度アンケート調査を実施しています。お客様の生の声を調査し、その声を製品及びセールス、サービス業務に反映し顧客満足度の更なる向上を図ることが目的です。 製品性能、品質、サポート、セールス、コスト等に関する質問に評価採点をいただき、製品ごとに集計しています。 評価点の低い項目は、各担当部署にて具体的な改善目標を設定し、PDCAをまわして改善に取り組みます。お客様の生の声、要求の変化に迅速にお応えできるよう、今後もこの取り組みの強化を進めていきます。

アンケート調査に基づく改善事例

  • マニュアル専門部署の設置
    「より使いやすく、解りやすいマニュアルへ」との要望が高かったため、マニュアル改善プロジェクトを設置してマニュアルの基本的な提供方針の見直しを始めとする改善方針を策定しました。その後、経験豊富なテクニカルライターを擁するマニュアル専門部署を新設し、「使いやすく解りやすいマニュアル」へ、改訂作業を進めています。
  • 部品在庫情報の一元化管理を促進
    「アンケート」でお客様の要望が高かった「保守パーツ供給の迅速性」を高めるために、2012年度に、八王子パーツセンターの在庫及び各国consignment(委託在庫部品)の在庫情報を、WEB上で確認できるシステムを構築しました。これにより各国のグローバルな在庫状況を閲覧でき、各国間での緊急出荷が対応できるようになりました。
    また、MRP(資財所要量計画管理システム)採用により、供給量の調整・管理が自動化され、最短でお届けする体制がより強固になりました。

特約店様との関係

特約店様はお客様のニーズを汲み取り、東京精密グループとお客様をつなぐ大切な窓口です。かつてより弊社の特約店会である『ACCRETECH会』では総会、実務責任者による会議、エリア毎の会議等を定期的に開催し、弊社からは新製品情報や市場動向を伝え、特約店様からはお客様のニーズの動向をお知らせいただくなど、綿密な双方向の情報交換を行なってきました。今後は東京精密グループのCSR方針や価値観・活動の進捗なども特約店様にお伝えすることで、一体となったCSRを実施すると共に、お客様にご理解いただくチャンスを広げていけるよう、検討してまいります。

2016 ACCRETECH会総会の様子

グローバルで高機能なサポート体制

「顧客満足度No.1」を目標とするカスタマー・サポートは、お客様により良い状態でより長く製品をお使いいただくため、必要な時に、必要なヒト・モノを、必要な場所に最短でお届けすることに注力しています。世界各国31カ所、国内25カ所のサポート拠点に、総勢約270人のカスタマー・サポート・エンジニアを配置。また、世界各国10カ所にパーツセンターを設置しています。

海外の現地技術者の研修

東京精密では、グループの海外法人及び協力会社から人材を受け入れ、研修等による能力開発やスキル向上を図ることで、グローバルで顧客満足度の向上を目指しています。

  • 半導体製造装置事業:
    2013年より東京精密グループの海外法人から研修生を受け入れて駐在させており、基本的な駐在期間を一年間とし、開発担当エンジニアとともに業務を行うことでアプリケーション能力の向上と東京精密の文化の共有を図っています。研修生との協働は国内従業員の現地文化の理解やコミュニケーション力の向上、英語力向上にも役立っています。
    また、駐在中に日本語学校にも通わせ、日本の風土や文化への理解を深めて、現地と東京精密のパイプ役になってくれるよう指導しています。
  • 精密測定機器事業:
    2011年より東京精密グループの海外法人及び協力会社から研修生の受け入れを開始しました。研修生には、計測センターで経験年数に応じて数週間から3カ月程度の研修期間中に、納入・保守作業やアプリケーションの教育を行い、一定基準に達したエンジニアに終了証を授与しています。
海外サービス担当の研修

トラブルシューティングマニュアル・手順書等の多言語対応

半導体製造装置のお客様の多くは英語が公用語として使われていますが、測定機器のお客様は広範囲で、ご使用いただく環境やシチュエーションも多義に渡ります。このため、お客様による日常点検やトラブルシュートを可能とするために、各国語のトラブルシューティングマニュアルや各種手順書の整備を進めています。
【手順書作成実績】
日本語、英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語

お客様の価値創造を加速させる国内最先端拠点

東京精密の原点であり、事業の2本の柱の内の1つである精密測定機器ビジネスは、「測れないものは作れない」という思想に基づき、単に測定機器を提供するのではなく、社会に精密さや信頼性を提供する「ものづくりの原点」と考えています。
全ての“ものづくり”は“測る”というプロセスなしには成り立ちません。また、正確に“測る”ことは私たちのお客様が社会に信頼される製品を提供するために不可欠な作業です。この思いをより大きく社会に届けるために、以下の取り組みを行っています。

メトロロジー(計測)センター

2008年11月に、それまでのショールームを一新し、「計測と言えば東京精密」と世界のトップブランドの地位を確立すべく、土浦の精密測定機器工場敷地内に、「メトロロジー(計測)センター)」を開設しました。
このセンターでは、来訪されたお客様の課題に応えるさまざまな測定機器や計測手法を直に体験いただけるとともに、ソリューション提案や当社製品の操作トレーニングの機会提供といったさまざまな機能を提供しています。来て見て良かった、感動した、またぜひ来たいと喜んでもらえ、お客様の価値創造の実現につながるセンターを目指しています。

 メトロロジー(計測)センターの機能
ソリューション提案  各種測定機器や計測方法の説明、 測定機器の操作トレーニング等を通して、お客様のご要望や解決したい課題にむけて、さまざまなソリューションの提案を行っています。
また、測定機器を設置されていない、測定機器が計測に対応した機能を有していない等で自社内での計測が行えない場合、当社が代行して計測を行う「受託測定」も行っています。
お客様サポート  定期開催のトレーニングスクールによる計測指導やコールセンターによる日々の計測アドバイス等で、当社測定機器をご購入いただいたお客様をサポートしています。
また、海外拠点のサービスエンジニアに対するトレーニングを行い、測定機器の納入後も良質なサポートサービスを提供できる体制を整備し、お客様との一生のお付き合いを目指しています。
当社製品・計測についての「学びの場」   当社測定機器をお持ちのお客様、当社測定機器を取り扱っていただいている商社・特約店、大学・高専・地元工業高校、地域の企業等を対象に、見学会・製品勉強会・計測セミナー等を開催し、計測について理解を深めていただくとともに、多種多様な製品展示を通じ製品理解を図っています。

アプリケーションチームの活動

東京精密では、メトロロジーセンターでトレーニングした計測の専門家で組織するアプリケーションチームを国内外の各地に配置して、地域の“ものづくり”のニーズに応えています。
 ・計測のご相談へのアドバイス
 ・各地の研究所・工業技術センターの依頼による計測指導員(講師)の派遣
 ・各社の依頼による社内実測・説明会の開催
 ・各地での公開プライベートショーの開催
 ・技能五輪全国大会への協賛

 アプリケーションチームの活動実績(2015年度)
公的機関での講習/計測指導 大学やテクノセンターをはじめとした全9か所(計17日)
計測セミナー 大手自動車部品や機械関係メーカー、特約店様に向けて全13回(計17日)
プライベートショー 主に特約店様主催のプライベートショーを全11回(計14日)